
2014年度のオーストラリア政府の公式レポートでワーキングホリデー制度で訪れる日本人は1万人を超えた数字が発表され、近年その数は増加傾向にあります。
その背景の一部にあり、近年密かなブームとなっているのが、物価は高いが給料も高いオーストラリアでの「出稼ぎワーホリ」。
今回はオーストラリアで「稼げる」をテーマに、私が実際にオーストラリアの片田舎でファーム(農場)仕事で月収約5000ドルを稼いだ経験を紹介します!
1. オーストラリアワーホリに人気のファームジョブとは?

まず、オーストラリアワーホリで、英語が苦手な日本人にも手に入れやすい仕事として、最も人気なのが「ファームジョブ」と呼ばれる田舎で農業をする仕事です。
オーストラリアにワーホリをされる日本人の方で、聞いたことがない人は皆無なほど、とても有名な仕事です。
ワーホリでファームジョブをするメリット
ファームで働く1番のメリットは、条件を満たせば「セカンドワーキングホリデービザ(1年間延長してオーストラリアでワーホリができる)」が得られることにあります。
- オーストラリア政府が指定する地域(基本的に田舎)で働く
- 農業、畜産、漁業、建築業、鉱業の仕事に従事する
- 一定期間(88日以上:約3ヶ月間)それらの仕事に従事する
*別件の話で、オーストラリアの一部地域では条件を満たせばワーホリビザでも6ヶ月以上働けるルール改正もあります。
オーストラリア政府公認のファーム情報入手先

オーストラリア政府機関が仕事情報を提供するウェブサイト「Australian Job Search」があります。
このウェブサイトの中で、ファーム仕事情報は「Find Harvest Jobs」のページでチェックすることができます。
また、各州のファーム情報、収穫物やシーズンなどが詳細に記されたガイドブック「NATIONAL HARVEST GUIDE」の最新版PDF版やWordファイル版のデータもダウンロードできます。

iもちろん紙の冊子もあるのですが、Padなどのタブレット端末に忍ばせておけば便利です。
オーストラリアのファームジョブに必要な英語力
ハッキリ言えますが、英語力が高いことに超したことはありません。
ファームジョブによっては、全然稼げない、仕事仲介者にダマされるケースも多々あるようです。
そういった情報の背景には、仕事前に提示された条件(給料等)が違っても、英語を上手く話せないので泣き寝入りする日本人の方が現実にいるからにあります。
とは言っても、私のファームジョブ経験して感じましたが、必ずしもバリバリの英語力は必要ないように感じました。
でも、やはりオーストラリアに来る前に最低限の英語を勉強しておきましょう!
以下、英語にちょっと自信のない方にはきっと役立つと思うので、ぜひ参考にしてください。
稼げるファームのある場所カナナラ(Kununurra)

Credit / Kununurra Visitor Centre Facebook
私が働いたファームがあるのは、オーストラリアの西側に位置するWA(ウェスタンオーストラリア州)にある「Kununurra(カナナラ)」という小さな町です。
西部のWA州都パースよりも北部にあって、ノーザンテリトリー州のダーウィンからの方が近いエリアにあります。
この地域は、オーストラリアの中でも紫外線も強く、特に気温の高いエリアです。女性に限らず男性も、紫外線対策をしておくべきレベル。
しかし、そんなエリアにも関わらず、カナナラが密かに人気がある理由は、稼げるファームのある場所だからです。
カナナラ(Kununurra)への行き方
一般的にカナナラへ向かうには、ノーザンテリトリー州の「ダーウィン(Darwin)」から「バス(グレイハウンド)」を利用して目指す方法が定番です。
予算がある人なら、ダーウィンから飛行機(「エアノース」or「カンタス航空」)でもカナナラまで行けます。田舎の小さな町カナナラと言えど、実は「飛行場」もあるんです。
WA州カナナラの収穫シーズン
ご存知の通り、収穫物(野菜や果物)は季節もの。
ウェスタンオーストラリア州のカナナラ(Kununurra)の収穫物は、「メロン」「カボチャ」「サンダルウッド」が有名です。
カナナラのシーズンは毎年4月〜10月頃といわれています(天候や自然災害の影響にもよる)。
他にも少し時期は異なりますが、シトラスやマンゴー、小さい規模ですがバナナファームもあります。

(出典:「NATIONAL HARVEST GUIDE 」)
2. カナナラのファーム仕事(求人情報)入手方法

Credit / Kununurra Visitor Centre Facebook
その1:ジョブショップに仕事を紹介してもらう
*この探し方は、私がカナナラに滞在していた当時の探し方です(2014年情報)。
小さなカナナラの町にある「Job Shop(ジョブショップ)」と呼ばれるエージェントで「求人登録」をします。
ジョブショップにあるパソコンで自分の情報を入力して、後日ジョブショップから連絡がきて仕事を紹介してもらうという流れです。
タイミングや運にも大きく左右されますが、英語力や経験あればより早く求人情報を手に入る傾向があります。
「日本人を優先して雇いたい」というファームも少なからずあるので、英語ができなくても「日本人=よく働く」というアドバンテージは大きいです。
カナナラで苦労して働いた日本人の諸先輩方のお陰ですね(ありがたや〜)。
▼ジョブショップの訪問は火曜日が狙い目
ちなみに、ヨーロピアンのワーホリメイカーたちもファーム仕事を探しにくるので、月曜日はジョブショップが混んでいることが多いです。
なので、月曜よりも忙しそうでない「火曜日」あたりが狙い目かも。
なぜなら、求人登録するときにジョブショップのスタッフとコミュニケーションが取れるからです(スタッフが忙しくないとちゃんと相手してくれる)。
他ファームでの仕事経験や英語力の高さを「手短かにアピールできる」と印象が良く、仕事の紹介がすぐ回って可能性が高まります。
アピールが苦手な方は、「エレベータースピーチ」を練習しておきましょう。
つたない英語でとろとろアピールしたのでは、忙しいスタッフも構ってくれませんので、短時間で好印象を残すことが重要です。
その2:友人や知り合いの紹介(コネ)
当時、私はジョブショップで求人登録をしたものの、すぐに知人の紹介で仕事を得ることができました。
(後日、ジョブショップからの仕事紹介を断ったのは言うまでもなく)。
カナナラに到着してから、運も良く約1週間で初仕事をゲットしましたが、やはりタイミングや運にも左右されます。
人によってはもう少し時間が必要な方もいるでしょう。
仕事探しの正攻法は、仕事を探していることをどんどん周りにアピールすることです!
ヨーロピアン、アジア人に限らず、バックパッカーやキャラバンで出会う人の繋がりに感謝する日が、きっとやってくると思います。
仕事探しもまたワーホリの醍醐味なので、働いていたファーム名は、ここではあえて伏せておきます。
意地悪に聞こえるかもしれないので有力情報として、私が仕事を得るキッカケとなった滞在先のバックパッカー(カナナラでは有名)をご紹介します。
- 私が滞在していた宿:Kimberley Croc Backpackers
- 住所:120 Konkerberry Dr., Kununurra, Kununurra, Australia
すぐに仕事が見つかる保証はないので1週間以上は最低予約して宿泊したいところ。
スーパーや酒屋にも近い立地でプールもある人気バッパーなので、シーズン中はお早めの予約を。
3. オーストラリアのファームジョブの仕事内容

カナナラのファームの収穫物は、メロン、カボチャ、バターナッツ、サンダルウッド(小規模でシトラス、マンゴー、バナナ)。
私が働いていたファームの収穫物は、思いっきりカナナラ定番の収穫物ばかり。
- メロン(甘くて美味しい)
- カボチャ(日本のスーパーでもよく見るもの)
- 巨大なカボチャ(ハロウィンでみるようなでかいヤツ)
- バターナッツ(カボチャの一種)
当時、オーストラリアWA州のカナナラで働いていたファームでの仕事内容は、主に3つありました(違うファームではもっと他にもあるかも)。
- ピッキングと呼ばれる収穫作業をするピッカー仕事
- 倉庫で収穫物を箱詰めするパッキング仕事
- 草刈りするチッピング仕事
「ピッカー仕事」の場合は、基本的に地面の上に実が育つ「メロン」や「カボチャ」を収穫するので、収穫中は「カラダを折り曲げ常に中腰状態」な超ハード系。
灼熱の畑のなかでハエとお友達になりながらする体力仕事です。
バナナファームの仕事もしんどいと耳にしますが、メロンやカボチャのピッキングも結構キツい仕事です(女性はこの作業にはつけないかも。)
なので、女性には「草刈り」や「倉庫でのパッキング」、簡単に収穫できる他の作物のピッキング仕事が向いています。
ファームジョブの勤務時間は?
私の働いていたファームでは、1日8時間〜9時間くらいの労働時間。
基本的に「週6日勤務+週1日休み」だったのですが、繁忙期は週7日(休みなし)で2週間に1回休みがある程度でした(*ファームや仕事内容によって異なります)。
当時のカナナラには、休みなく働き続けること数十日!という「ツワモノ」もいました。やっぱり稼げるのだからと、みんな割り切ってましたね。
草刈りの仕事は、けっこう早く終わることもあるとか。
4. 気になる出稼ぎワーホリの給料と貯金額

Credit / Kununurra Visitor Centre Facebook
読者の皆さんが一番興味のあるところだと思いますので、私の実例をもとにご紹介します。
気になるカナナラのファームジョブお給料(時給)
オーストラリアには、基本的に土日祝日の給料をアップする法律があります。
- 時給:21ドル(平日土日に関わらず同額:季節労働のため)
- 祝日:42ドル(ダブルペイ)
- ボーナス:1時間あたり1ドル
私の働いていたファームは、珍しくボーナスシステムがあって、仕事を辞めるときにちゃんと支払わました(超ラッキーなファーム!)。
ちなみに、ウェスタンオーストラリア州は、他の州と比べて「時給がやや高め」の傾向があります(鉱山バブルの影響もあるのかな?)。
*あくまで2014年当時の情報。ファームによって条件は異なります。。
1ヶ月の貯金額の例(繁忙期)
カナナラのファームで繁忙期に働いて稼いだ1ヶ月の簡単な収支内訳は、以下の通り。
- 月収:約5000ドル(税抜前*1)
- 源泉徴収:給与金額から約650ドル税金天引き(*2)
- 生活費:約1000ドル(*3)
(*1:計算しやすいよう端数は省略、*2:2014年度税制での税法上居住者スキーム利用、*3:食費宿泊費等含む合算額)
よって、手元に残った金額が約AUD3350ドル前後でした。
これを当時の為替レート1豪ドル≈95円で計算すると約32万円。もちろん為替レートに左右されますが、当時2014年は1ヶ月に約30万円ほど貯金できたのです!
ファームジョブでボーナスも?!
まだ、驚いてはいけません。
当時私の働いていたファームでは、なんと「ボーナス」として1時間あたり1ドルも支給されました。
なので、仕事を辞めた際には、数百ドルのまとまったお金(ボーナス)が手に入ることに、、、。
とっても良心的なファームだったのは間違いありません!もちろん、すべてのファームにボーナスがあるわけではないので、運が良すぎました。
タックスリターン(確定申告)の還付金も侮れなかった
オーストラリアでは、ワーホリメイカーも働いてお金を稼いでいれば「タックスリターン(確定申告)」を行う必要があります。
そして、当時は「ある条件」を満たすと源泉徴収されていた税金が、丸々還付されたのです。
私の場合は、カナナラのファームで働いていた分だけでも、当時千ドル以上のお金が手元に戻ってきました。
※確定申告までに稼いだ金額によって、還付金額が異なりますがここでは触れません。
追記:2017年1月以降は、ワーホリメイカーに対するバックパッカー税の導入で課税率が変更になります(残念ながら当時のような税制スキームが使えなくなりました)。
カナナラのファームで働いた総貯金金額は?
(ひと月約30万円の貯金×働いた期間)+ボーナス(働いた時間数×1ドル)+税金還付(各人それぞれ異なる)=総貯金金額
あえて明確な金額を算出しませんが、なんとなくオーストラリアで出稼ぎワーホリをする人が増える理由が、お分かりいただけたでしょうか。
この結果は、あくまで2014年当時のファームジョブ経験上の話です。
稼げるファームで仕事を手に入れれるかが、大きなポイントですが、収穫物の出来具合も年によって変わると予想されるので、一概にみんなが稼げる保証はありません。
ファームジョブの強者(ツワモノ)はキャラバンパークにあり
上記で計算した金額が屁でもないくらい、もっと貯金をするツワモノは沢山いました。
当時の私はそれほど節約生活をしていなかったので、生活費(食費・宿泊費等)に毎月1000豪ドルほど費やしていました。
しかし、出稼ぎワーホリのツワモノは、「キャラバンパーク(テントやキャンピングカーが停泊できるような敷地のある宿泊施設)」と呼ばれるところで「テント生活」を送っていました。
「宿泊代がバックパッカーズホステルよりも安く、テント生活なら週100ドル以下で済むから」と彼らは言います。
「稼いで貯める」という明確な目標がある人なら、彼らのような「ツワモノ」の仲間入りをぜひおすすめします!
まとめ

セカンドビザを取るために、同じ期間ファームで働くのであれば、誰でも「稼げるファーム」で働きたいですよね。
もしくは、世界を旅する資金を貯めるために、オーストラリアでガッツリ稼ぎたいという方もいるでしょう。
▼オーストラリアのファームで稼ごう!
海外でお金を稼ぐ(働きたい)ことに少しでも興味がある人は、オーストラリアへ出稼ぎワーホリに行くことも選択肢にいれてみてはいかがでしょうか。
もちろん、ファームジョブも含め肉体労働系の仕事はしんどいです。
でも、人によってはちょっとした「サムマネー」お金を蓄えられ、海外ならではの経験(英語環境と国際感覚を養う)を手にできるでしょう。
これからワーホリでオーストラリアを訪れてファームジョブをしたい人は、ぜひ参考にしてみてくださいね。